「新型コロナワクチン打った方が良い理由と打った感想」の記事も参考に読んでいただけると嬉しいです。
ウイルスとは
細菌の50分の1程度の大きさで、とても小さく、自分で細胞を持ちません
「遺伝子(DNAやRNA)とタンパク質の殻」という単純な構造の粒子です(設計図と設計図の入れ物(クリアファイル))
ウイルスには細胞がないので、他の細胞に入り込んで生きていきます。ウイルスは単独では増えることができないのです(物を作る自分の工場や材料がない)
人の体にウイルスが侵入すると、人の細胞の中に入ってこっそり自分のコピー(複製)を作らせます(他人の工場に忍び込み勝手に材料を使って遠慮なくバンバン作る)
風邪(普通感冒)はさまざまなウイルスが原因となります
ウイルスは大きさや仕組みが細菌と異なるので抗菌薬(抗生剤、抗生物質)は効きません
抗ウイルス薬はまだ少数しか開発されていません
ワクチンとは
体に疑似的に感染した状態を引き起こし、免疫を人工的に引き起こすことができるようにする手段です
今までのワクチンの代表的なものとして「生ワクチン」と「不活化ワクチン」及び「トキソイド」があります
生ワクチンは、症状が出ないように限りなく弱くした病原菌そのものを入れる
不活化ワクチンは、病原菌を処理して(殺して)感染する能力を失わせたをなくしたものを入れる
トキソイドは、毒素(トキシン)を取り出し、毒性をなくしたものを入れる
このワクチンをつくるためにはウイルスそのものが必要です
今回の新型コロナウイルスのように全世界で短期間にワクチンを作らなければならない場合、大量にウイルスを培養、複製しなければなりません
それには時間やお金がかかり、すぐに作ることはできません
今回の新型コロナウイルスのワクチンではコロナウイルスのメッセンジャーRNA(mRNA)というものを使用しています
mRNAワクチンとは
・mRNAとは
伝令RNAとも呼ばれます
簡単に言うとDNAに書き込まれている遺伝情報を写し取り、タンパク質の合成に用いられます
mRNAは、DNA上でタンパク質のアミノ酸を決める部分が暗号化されている部分、すなわち遺伝子の情報(塩基配列)を細胞核内で写し取った一本鎖RNAで、細胞核の外にあるタンパク質合成にかかわるリボソームと呼ばれる小器官に運ばれます。
・mRNAワクチンとは
コロナウイルスのmRNAの一部分に、スパイクたんぱく質の設計図が含まれています
スパイクタンパク質はコロナウイルスの表面にあります
(下の画像の赤のとげやオレンジの部分です)
このスパイクタンパク質に対する抗体を生成できれば、免疫を誘発させることができます
スパイクタンパク質の設計図(mRNAの一部)を取り出して、脂質の殻でコーティングします(mRNAは非常に壊れやすいため保護する必要があります)
さらに脂質の殻のおかげで人体の細胞に設計図(mRNAの一部)を送り込むことができるようになります
これを注射すると、人体の細胞の中にmRNAが取り込まれて、設計図の情報をもとに細胞の中でスパイクたんぱく質をつくります
取り込まれたmRNAは体内で分解されますので人間のDNAが存在する細胞核の中には原理的に入れません(人の遺伝子には組み込まれません)
スパイクたんぱく質が体内で作られると、体の中で免疫が発動し、すみやかに抗体を作ります
いざコロナウイルスが入ってきたときに速やかに攻撃態勢を作れるようにすることができるようになります(液性免疫)
この反応により副作用が生じることもあります
また攻撃の仕方をキラーT細胞に指示して覚えこませて(記憶して)、免疫細胞が直接ウイルスを撃退できるようにもなります(細胞性免疫)
mRNAワクチンを作るのにはウイルスそのものは必要ない(設計図であるmRNAだけあればよい)ので、培養するのに時間を要する必要がない
そのため新型コロナウイルスのワクチンになったの要因の一つです
まとめ
- mRNAワクチンは新型コロナウイルスのような短期間に大流行するウイルスに有効
- また違う新型のウイルスが流行した時にも対応できる
- 従来のワクチンよりも時間やお金などがかからない
副作用(打った後の痛み、疲労感、頭痛、筋肉痛、38℃程度までの発熱など)は思ったよりも出ています
インフルエンザ予防接種よりも副作用出ます
ですがインフルエンザワクチンより発症抑制効果があるのは事実です
今回はここまでで終わりです。ありがとうございました。
コメント